当院では、関節リウマチの早期診断と治療に力を入れ、患者様の関節機能を守りながら生活の質を向上させることを目指しています。最新の抗リウマチ薬(DMARDs)や生物学的製剤を活用し、炎症を抑えながら寛解を目指した治療を行います。また、リハビリテーションや生活習慣の指導を取り入れ、日常生活への影響を最小限に抑えます。専門的な診療を通じて、患者様一人ひとりに合った最適な治療を提供いたしますので、お気軽にご相談ください。

関節リウマチ
関節リウマチ
当院では、関節リウマチの早期診断と治療に力を入れ、患者様の関節機能を守りながら生活の質を向上させることを目指しています。最新の抗リウマチ薬(DMARDs)や生物学的製剤を活用し、炎症を抑えながら寛解を目指した治療を行います。また、リハビリテーションや生活習慣の指導を取り入れ、日常生活への影響を最小限に抑えます。専門的な診療を通じて、患者様一人ひとりに合った最適な治療を提供いたしますので、お気軽にご相談ください。
関節リウマチとは、本来は体を守るために働く免疫系に異常が起こり、正常な細胞などを攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。関節の滑膜(かつまく)などに炎症が生じ、こわばり、痛み、腫れなどの症状が現われます。主に手足の関節で起こり、進行すると関節の骨や軟骨が破壊され、変形による機能障害をきたすようになります。
免疫系に異常が起こると、関節の毛細血管が増加し血管内から関節の滑膜組織に白血球(リンパ球やマクロファージなど)が出現します。これらが産生するサイトカイン(TNFα、IL-6など)と呼ばれる物質の作用により、関節内に炎症反応が起こり、滑膜細胞が増殖して、痛みや腫れが生じます(関節炎)。さらに関節液が増加していくと、破骨細胞(はこつさいぼう:古い骨を吸収し骨の新陳代謝を担う細胞)も増殖して過剰に活性するため、軟骨や骨の破壊が進んでいきます。
日本での関節リウマチの有病率は0.6~1.0%で、患者数は約70万~90万人と推計されています。男性よりも女性に多い傾向があり、好発年齢は40~60代とされていますが、近年は診断技術の向上などにより、男性で早期に発見されるケースも増えています。また、高齢化の影響でさらに高齢で発症するケースも増加しています。
関節リウマチは、以前は完治の難しい疾患でしたが、新しい薬や治療法の登場により、その治療は劇的に進歩しています。早期の診断と抗リウマチ薬を中心とした適切な治療によって、疾患の活動性をしっかり抑えることが可能となり、その結果、関節の炎症がほとんどない状態(寛解)を目指せるようになっています。関節に気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。
よく知られている症状が関節の痛みで、現れやすいのは手足の指の関節や手首・足首です。指先から数えて2番目の第2関節や指の付け根、手首、足首の関節が柔らかく紡錘(ぼうすい)状に赤く腫れたり、痛んだりすることが多くあります。肘、肩、膝などに同様の症状がみられることもあります。
痛みの程度や場所はそれぞれで、身動きができないほどの強い痛みが現れる方がいる一方、「今日は指が少し痛かった」「昨日はどこも痛くなかった」「3日前は足関節が痛かった」など、日ごとに変わる方も少なくありません。1つの関節にとどまらず、複数の関節に症状が現れる場合は、関節リウマチの疑いが濃厚になります。
朝起きたときに手足が動かしにくい「朝のこわばり」も有名な症状です。この症状も程度は様々で、体中がこわばって布団からなかなか出ることができない方もいれば、手の指だけが曲げにくくこわばった感じがする、むくんでいる感じがするという方もいらっしゃいます。こうした関節の症状は、関節の中の滑膜に炎症が起きて、骨や軟骨を溶かしていくことで生じます。はじめは軽い痛みであっても、進行するにつれて段々と痛みが強くなり、関節が動かなくなったり特有の関節変形が起きたりします。
だるさや微熱、貧血、食欲不振、体重減少といった全身症状が見られることもあります。また、目や口腔内に乾燥をきたすシェーグレン症候群などの自己免疫疾患を合併するケースもしばしばあります。
関節リウマチは放置してしまうと徐々に関節が破壊され、日常生活に支障が出てきます。半年以上痛みのある状態が続くと、骨が溶けて変形が始まると考えられていますので、痛みを感じたらなるべく早く(症状が出てから12週間以内)受診していただき、適切な治療を開始することをお勧めします。
関節リウマチは、関節の症状の変化に加え、血液検査と画像検査の結果をみて総合的に診断します。また、炎症が起きている部位によっては関節リウマチ以外の類似疾患を疑うこともあります。
血液検査
血液検査で重視するのは、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体といった体の成分に反応する自己抗体です。いずれも関節リウマチの多くで陽性を示しますが、両方が陰性でも関節リウマチである場合や、逆に陽性でも関節リウマチでない場合もあるので注意が必要です。
活動性の指標として、炎症を反映するCRPやESR(赤沈・血沈)、関節破壊と相関するといわれているMMP-3なども参考にします。また、関節リウマチは貧血を合併しやすくなりますので、貧血に関連する項目も確認します。一般的に貧血の状態になると、赤血球数、ヘマトクリット(Ht)値、ヘモグロビン(Hb)値が低下します。
画像検査
血液検査の他に画像検査を行い、関節の状態や炎症の程度を調べます。画像検査には、X線検査、MRI検査、関節エコー(超音波)検査などがあります。
薬物治療では、発症早期から免疫異常を改善する「抗リウマチ薬」を開始し、必要に応じて、痛み・炎症を軽減する鎮痛薬(非ステロイド抗炎症薬)やステロイド(副腎皮質ステロイド)を使用します。鎮痛薬は関節リウマチ自体の進行や骨・関節の破壊を抑制することはできませんが、内服すると速やかに効き目が現れることから、患者様の日常生活の維持に役立ちます。また、ステロイドは強い抗炎症作用がありますが、関節リウマチに対する効果は限定的であり、様々な副作用もあるため、その使用はあくまで補助的です。
薬物療法の中心に位置づけられているのがメトトレキサート(MTX)です。免疫抑制作用を有する抗リウマチ薬で、診療ガイドラインでも関節リウマチの診断とともに、まずはメトトレキサートの使用を考慮することが推奨されています。年齢、腎機能、肺合併症などを考慮し、副作用に気を付けながら継続していきます。疾患活動性が高い場合やMTXで効果不十分の場合には、抗TNF製剤、抗IL-6受容体抗体などの生物学的製剤やJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬を使用することで、疾患の活動性をしっかり抑えることができます。
これらの抗リウマチ薬が登場したことによって、高い治療効果が期待できるようになり、関節の炎症がほとんどない寛解をめざすことが可能になっています。
筋肉の衰えや動きの悪くなった関節の可動域を改善するリハビリテーション療法も、必要に応じて行われます。また、治療の効果を高めるための運動療法も有効と考えられています。関節の破壊や変形が進行してしまった場合に行う手術も進歩しています。人工関節に置き換える手術や腱の再建手術によって痛みが軽減し、歩くことが可能になるなど、QOL(生活の質)の向上が期待できます。
症状が強いときは安静にして、関節を保護することが重要です。症状が落ち着いてきたら、適度な運動やリハビリテーションを行い、筋力や関節の動きを維持しましょう。感染症には常に注意が必要となります。喫煙や歯周病は、治療効果にも影響するため、禁煙し、歯周病はしっかり治療しましょう。
関節リウマチは一生付き合っていく病気です。当院は通いやすさと親しみやすさを兼ね備えたクリニックをめざし、リウマチ・膠原病の専門診療を行っています。関節リウマチをはじめとする膠原病の症状が疑われる場合は、お気軽にご相談ください。
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